こんにちは、心電図イラスト管理人のNABEです。
今回は、前回までの不整脈とは異なり、致死性不整脈となります。
つまり、何もしないと亡くなる可能性が高い極めて危険な心電図波形となります。
私も、未だにこの波形を見ると緊張が走ります…
前回までのPSVTについてはこちらから。
【病態生理】
心室心拍(VT)とは、心室に起源を有する頻拍性不整脈の総称になります。
His束分岐部より遠位の刺激伝導系および固有心室筋から発生する頻拍をいいます。
ちなみに、心拍数が150以上を頻拍、200以上を粗動、350以上を細動と区別します。
これは、心房でも心室でも同じ々です。
また、動悸や息切れ、失神に意識消失などの症状も認めます。
【心電図所見】
刺激伝導系を介さずに、興奮が心室内を伝導するため、QRS幅が広くなります。
また、心室の規則的な興奮のため、RR間隔は一定です。
上室性の頻拍ではないことを示すため、P波を欠きます。
【治療】
・血行動態が安定している場合
心機能が正常例では、Naチャネル遮断薬(プロカインアミド)などを使用します。
心機能が低下例では、アミオダロンやニフェカラントを使用します。
※ジギタリスは異所性興奮を亢進させるため禁忌となります。
・血行動態が不安定の場合
除細動を施行します。
除細動が無効または再発の場合は、アミオダロンやニフェカラント静注後に再施行します。
・根治療法
基礎心疾患がない例ではカテーテルアブレーションを施行します。
基礎心疾患合併例では、植込み型除細動(ICD)を考慮します。
【心電図波形】
最後に心電図波形になります。
如何だったでしょうか?
今週末に、透析における穿刺について記事を書こうと思います。
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