こんにちは、心電図イラスト管理人のNABEです。
今回は、前回に引き続き発作性上室頻拍(PSVT)の分類の一つでもある
房室回帰頻拍(AVRT)を紹介したいと思います。
前回の房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)についてはこちらから。
【病態生理】
房室回帰頻拍(AVRT)とは、副伝導路(Kent束)が存在する例(WPW症候群)で期外収縮をきっかけに起こるリエントリー性頻拍のことです。
洞調律ではリエントリーは発生しませんが、副伝導路が不応期の時に期外収縮が起こると、副伝導路を順行する興奮は起こりません。
副伝導路が不応期を脱すると、心室へ伝わってきた興奮が副伝導路を逆行し、リエントリーとなります。
心室からの興奮が副伝導路を介して心房へ伝わるため、心室→心房とうい順で興奮します。
【心電図所見】
心室→心房の順に興奮するため、QRS波の後に逆行性P波が出現します。
主に下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)で出現します。
房室結節の刺激伝導は正常のため、QRS波は正常になります。
また、心室の興奮も規則的なため、RR間隔も一定となります。
【治療】
治療方法は、前回紹介した房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)と同様になります。
【心電図波形】
最後に心電図波形になります。
如何だったでしょうか?
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この場をお借りして、皆様に御礼申し上げます。
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