こんにちは、心電図イラスト管理人のNABEです。
今回は、致死性不整脈に繋がる不整脈の紹介になります。
心電図検定にも出題されるBrugada症候群です。
病態生理
1992年にBrugadaらは洞調律時に右脚ブロック様QRS波形とV1~V3においてST上昇を示し、心室細動(VF)をきたした、器質疾患を有さない8例を紹介しました。
前駆症状を伴わない失神発作を初発症状とし、反復する多形性心室頻拍、心室細動を呈し、放置すれば突然死した可能性が高い例となります。
典型的には、30~50歳代の男性が夜間就寝中にうなり声をあげて心停止となり死亡してしまいます。
前回の致死性不整脈である心室細動と心室頻拍についての記事はこちらから。
心電図所見
Brugada症候群の非発作時の心電図の特徴は2種類となります。
coved type
Brugada症候群の典型例はcoved型となります。
完全あるいは不完全右脚ブロック様rSR’波となります。
また、V1~V3でcoved型のST上昇を認め、陰性T波となります。
covedは断崖や渓谷のくぼみのような波形からつけれています。
saddle back type
不完全右脚ブロック様rSR’波となります。
また、saddle back typeのST上昇が認められます。
saddle backとは鞍に波形が似ていることからつけられています。
治療方法
治療は植込み型除細動器(ICD)が第一選択となり、ICDを植込み後の予後は良好です。
しかし、失神を契機に来院した症例で、上記のような波形を認めた場合は、洞調律であっても精査が必要となります。
如何だったでしょうか?
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