こんばんは、心電図イラスト管理人のNABEです。
さて、今回は血液透析に携わる中で最もネックと言っても過言ではない
【穿刺】について書いていこうと思います。
血液透析において、穿刺は避けられない道です。
私ももう間もなくで臨床経験10年になりますが、未だに緊張します…
また、週に3日は患者さんと顔を合わせるため、
「失敗したらこれから気まずくなってしまう…」や、
「もし失敗して怒られたらどうしよう…」など
今後の患者さんとの関係が悪化する可能性もあるので余計に緊張してしまうでしょう。
私も端くれながら、たくさんの患者さん・様々な血管に針を刺してきました。
そのことを何回かに分けてお話出来ればと思います。
【穿刺上達のコツ その壱】
最初に結論を言ってしますが…
穿刺が上達するのには、経験とセンスだと思います。
ただ、経験と言っても数多く刺せばいいということでもありません。
穿刺を失敗してしまった場合、上司や同僚に再穿刺を呼ぶと思います。
その際、再穿刺の様子をよく観察することです。
そして、再穿刺が終わったあとに、
「自分はどんな原因で失敗していたのか」を聞くことです。
血管を貫通していたのか、それとも届いていなかったのか、かすってもいなかったのか…
様々な原因があり、今後その原因に対しての対策をすることが出来ます。
自分より穿刺が上手い方から学ぶことはたくさんありますし、
考えて穿刺することで初めて経験を積むことが出来ます。
【穿刺上達のコツ その弐】
まず、そもそもシャント血管ってどのくらいの太さかご存じでしょうか?
大体、3.0~8.0mmぐらいです。
太い方だと10.0mmある方もいらっしゃいますし、
3.0mm以下になってくるとPTAを考慮しなくてはなりません…。
それでは、透析留置針はどのくらいの太さなのでしょうか?
こちらはとあるメーカーの透析留置針の添付文書になります。
透析で使用するのは17~16G、若い方やOn-line HDFを施行している方だと15Gを使用することもあるかと思います。
17Gで穿刺をすることになると、カニューラの外径で1.5mmになります。
その17Gの留置針で2.0mmぐらいの血管に穿刺をしようとしても厳しいですよね?
そのため、触知やシャント音、またはエコーを使って患者さんの血管が何mmぐらいあり、その血管に対して何Gの針で穿刺するのかを考えなければいけません。
シャントのどこが細くてどこが深くてなどを穿刺の前に確認することが重要です。
穿刺前にシャント音・スリル、血管の走行は入念に確認する必要があります。
【上達のコツ その参】
初級篇の最後は駆血についてです。
内シャントに対しては、駆血をして穿刺することになるかと思います。
単にきつく締めればいいと言うわけではありません。
シャントは動脈と静脈を吻合して作成しています。
動脈に流れている多くの血液を静脈に流すことで、静脈の血管が発達して穿刺をしやすくなり、透析で高流量の血液を回すことで出来るためです。
駆血とは、穿刺をしやすくために静脈の血流を遮断することで血管を怒張させることです。
しかし、きつく駆血しすぎてしまうと動脈の血流まで遮断してしまい、静脈にまで血流が流入せず血管が怒張しません。
また、逆に駆血が緩いと血管が張らないため、失敗する可能性が高くなってしまいます。
感覚としては、「静脈だけ遮断する」イメージです。
なかなか難しいですよね(笑)?
しかし、先輩や同僚の腕を借りて駆血の練習をするのも上達への近道だと思います。
これは余談ですが、駆血する際に患者さんの腕のお肉を挟まないように注意して下さい。
私はこれで何度か患者さんに怒られたことがあります…(笑)
この対策としては、患者さんの服の上から駆血をすることです。
如何だったでしょうか?
簡単にまとめますと…
その壱:再穿刺をよく見て、自分の失敗の原因を探る!
その弐:穿刺前にシャント状態を入念に確認する!
その参:駆血は静脈だけ遮断するイメージで!
今回は、とりあえず実際の穿刺までについて書かせて頂きました。
好評であれば、次回は血管の抑え方や穿刺の注意点などを書いてみたいと思います。
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